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クライミング力を上げるための減量方法

クライミングで限界突破を目指して、食事制限のみの辛いダイエットを実践したことがありました。その時は3kg程減量できたのですが、力が出なくなり逆に調子を落とす結果となりました。夜はお腹が空いて寝付きが悪くなるし、一日通して空腹のストレスと戦い続ける、同じような辛い経験をした方も多いのではないでしょうか?

その後、ロードバイクでのサブトレに取り組みだしてトレーニング方法を学ぶ中で、筋力をできるだけ維持しながらの減量方法も知識として学びました。

どうしても殻を破れず5年が経ち、気分的に避けていたのですがそうも言ってられない状況になってきたので、奮起して本格的な減量に初挑戦した結果、4ヶ月で8kgの減量を達成することができました。

要点は下記4点でした。

・脂肪燃焼領域での有酸素運動を一定のペースで淡々と行う事
・タンパク質を十分に摂る事
・維持したい筋肉に刺激を入れる無酸素運動をする事
・カロリー収支の意識
(計画内容によっては緻密な計算が必要)

筋肉を維持しながら、ストレスの少ない減量活動にしたいと思い、食事をしっかり食べながら減量する計画を立てました。結果、びっくりするほど予定通りに、しかもほぼストレスなしに減量することができました。自分は減量には向いてないと思っていましたが、やり方の問題でした。

重要なポイントを押さえて、計画的な減量に取り組めば、少ないストレスで減量することは誰にでも可能なんだという感覚に変わりました。

ライター:諦めない男 つるぎ

効率の良い脂肪燃焼運動を徹底する


体脂肪を効率的に燃焼させるためには、30分から1時間半の間、適切な強度を維持して運動を続けることが大切です。これにより、体脂肪がエネルギー源として使用され、カロリーが消費されます。

運動強度が高すぎると、血液中の糖分が主なエネルギー源として使われ結果的に脂肪の燃焼効率が下がってしまいます。ですから、目指すべきは適度な強度で運動を行い、体脂肪を減らしてカロリーを消費することです。これが体重減少につながるため、この意識は非常に重要です。

高強度の運動ばかりしていると、とにかくお腹が空くので食欲が出てきます。運動しているので太ることはありませんが、脂肪が減る印象はなく、糖分や淡水化物をたくさん食べて、それをすぐエネルギーに変えて運動しているそんな感覚でした。

運動強度については、

運動時間の目安については、運動開始して20分後から脂肪が燃焼し易くなるとされていますので、最低30分以上で、毎日続けることができる運動時間を設定して下さい。

筋力を維持するための要点

維持したい筋肉に高負荷の刺激を入れる

脂肪が燃焼しやすい領域での運動のみに取り組んでいると、筋力は低下していきます。

減量走の後に懸垂を限界までするとか、クライミングする時に、高強度の課題やルートを必ずメニューに入れて、クライミングに必要な筋肉に強い負荷をかけることも意識して活動して下さい。

タンパク質の摂取目安

タンパク質を体重(kg)の1~1.5倍にしてg(グラム)に換算した値が1日の摂取目標となります。

例)体重60kgの人であれば、タンパク質を60g~90gを目標に摂るということです。

減量に成功してもパワーが出なくなってパフォーマンスが落ちる。その原因の1つはタンパク質不足でクライミングに必要な筋肉が減少する事で起こります。淡水化物と脂質は意識しなくても十分な量が摂取できると思いますので、タンパク質を多く含む食品を積極的に食べるようにして下さい。

特に食事制限が主となる減量の場合、食べられるカロリー数も低くなります。下記の通り各3大栄養素1g当りのカロリー値は、脂質が、淡水化物とタンパク質の倍になります。少ないカロリーで満腹感を得ようと思うと脂質を減らすことは必須です。

淡水化物/g  = 4kcal
タンパク質/g = 4kcal
脂質/g    = 8kcal

カロリー収支を管理する

体重を減らす方法はシンプルです。摂取カロリーを消費カロリーが超えるようにコントロールして、目標の体重になるまで続ける、これだけです。

ただ、そのためには運動で消費したカロリーと、食べたり飲んだりした分の摂取カロリーを把握しなければなりません。ここからが面倒くさいところなんですが、ちゃんとついてきてくださいね。(笑)  

摂取カロリー(飲み食いしたカロリー)< 消費カロリー(基礎代謝+運動)

これを続けることで減量していきます。

要は、基礎代謝のカロリーに 運動カロリーを足したエネルギー値と、食べたり飲んだりしたカロリーの数値を比べます。その結果、運動エネルギー(消費カロリー)の方が高い状況を続ける事が出来れば体重が減っていくということです。

具体的な例をあげる上げると、摂取カロリーよりも消費カロリーが400kcal高いという状況を20日間続けることができれば体重が1kg減る計算になります。

どういう計算でそのような事が言えるのかについては、以下で解説していきます。

減量計画に必要な情報

減量を計画的に行うために知っておくべき数字を把握していきましょう。

脂肪を1kg燃焼させる消費カロリーの目安を知る

脂肪を1kg減らすためには、7700kcal の消費カロリーが必要だと言われています。この値は男女等の区別はなく一律となっています。言い換えれば、100gの脂肪を減量するには、770kcal分摂取カロリーを消費カロリーが上回る必要があるということです。

例えば、消費カロリーが摂取カロリーを毎日770kcal上回る状態を10日間継続できれば、1kg減量できる計算になります。

自分の基礎代謝を算出する

ここでは、ミフリン・セントジョージ式というのを用いて基礎代謝量を計算します。
※基礎代謝とは、心臓を動かす、呼吸するなど生命を維持するために最低限必要な消費カロリーのことです。

基礎代謝を求めるには下記の4つの情報が必要です。

  1. 年 齢
  2. 性 別
  3. 体 重
  4. 身 長

これらの値を下記の式に当てはめて算出して下さい。

基礎代謝(kcal) = 10×体重(kg)+6.25×身長(cm)−5×年齢(歳)+S

※性別による補正項 S
男性  S = +5
女性  S = −161

(例)
1、47歳
2、①男性、②女性
3、60kg
4、174cm

例①)男性の基礎代謝= 10×60+6.25×174−5×47+5 =1457.5kcal

例②)女性の基礎代謝= 10×60+6.25×174−5×47-161 =1291.5kcal

算出された基礎代謝に日常生活で消費するカロリーをざっくり200kcalプラスしたものをここでは実質基礎代謝と呼ぶことにします。

上記(例)の場合、実質基礎代謝 は 

男性 1657kcal女性 1491kcal

となります。

運動消費カロリーを測定する 

心拍計を使わずに自分の感覚で走る方法でも出来ますが、疲労具合や、その日の調子で感覚が一定せず、運動強度にバラつきがでてしまうケースが想定されます。この点は心に留めて行ってください。

おすすめは心拍計を使用する方法です。心拍数を記録するアプリや機器などに、最大心拍数と安静時心拍数を設定しておくと、運動した際のカロリー値を自動で算出してくれます。(機器等を購入する際は、運動しながら心拍数が確認出来る事、カロリーの自動算出機能があることを確認してください。)

カロリーは最大心拍数と安静時心拍数を元に、運動時の心拍数の推移から算出されます。ロードバイクでは胸に巻いたり、腕に巻いたりして測定し、それをハンドル部分に設置したサイクルコンピュータに表示させて記録するのが一般的です。最近流行りのスマートウォッチでも良いのですが、正確に測れるものが望ましいです。

写真左 サイクルコンピュータ、 写真右 胸に巻くタイプの心拍計

<心拍計を使わない場合>・消費カロリーの目安

最も脂肪燃焼効率が良いとされる運動強度で、減量走(ロードバイク)を1時間行った場合の消費カロリーは、私の実測値では450~650kcalとなっていました。ランの場合もほぼ同じぐらいだと言われています。下表はあくまで目安ですが、消費カロリーの目安にして下さい。

  運動種類   体 重 
  (kg) 
心拍数60%時
消費カロリー
(kcal)
心拍数70%時
消費カロリー
(kcal)
ランニング・
ロードバイク
50180252
ランニング・
ロードバイク
60216302
ランニング・
ロードバイク
70252352
シティサイクル50120168
シティサイクル60144236
シティサイクル70168252

※上記は30分当たりの消費カロリーです
・脂肪燃焼効率が良い運動強度の目安

体感で感じる運動強度の目安でよく言われている内容を2つご紹介します。

1、短い会話ができる、息切れしない程度の運動負荷を保つ。

2、全力を10とした場合に、自分の感覚で4〜6程度の運動負荷を保つ。
※4が最大心拍数の60%、6が最大心拍数の70%に相当する。

「ちょっと努力が必要だけど、続けられる」という程度の負荷で運動を続けて下さい。

<心拍計を使う場合>
・心拍計とモニターを準備する

減量走を行うために最低限必要なのは、運動時の心拍数を測定して、その心拍数を表示させる機能となります。目的の強度で走れているかを確認するために、時々、心拍数が狙った数値ゾーンに入っているかを確認します。

私がロードバイクで減量走をする場合は、腕に心拍計を装着して測定し、ハンドル部分の見やすい位置に取り付けたサイクルコンピュータにその心拍数を表示させるという具合です。

下の動画は私が実際に使用している心拍計のレビュー動画です。YouTubeにありましたので、参考に貼っておきます。

下写真はサイクルコンピュータの表示例です。BPMは1分間当たりの心拍数を表す単位です。カロリーの単位はkcalです。

・運動強度と消費カロリーを確認する

脂肪燃焼を効率良く行える運動強度は、最大心拍数の60~75%となります。
※最大心拍数とは自分の心臓が1分間に打つことのできる最大の心拍数です。

最大心拍数を知る

心拍数とは、1分間に心臓が打つ回数の事です。最大心拍数は自分の心臓が打てる最大の回数となります。この最大心拍数からトレーニング強度のターゲット値となる心拍数を算出します。

計算で出す場合は(220-年齢)となります。
例)20歳の場合 220-20=200
この場合、最大心拍数は200となります。

計算値と実際の数値は大きく違う場合も多いので、できれば実測するのがおすすめです。

測定する方法としては、RUNで100%の全力走をするなど、終わったあとしばらく動けないぐらいまで追い込めば最大心拍数が測定できると思います。この時もアップは十分に行ってから測定するようにしてください。

(例)
最大心拍数 200 の方の場合

脂肪の燃焼効率がよい運動ゾーンは、

120~150 bpm となります。

いつまでに何キロ減量するのか、目標設定する

私の減量を例に解説します。

クライミングのコンペに向けて残り4ヶ月の時点、体重64kgから開始して、1ヶ月で2kg減を目標にしました。

1kgの脂肪を半月で減らす場合、脂肪燃焼運動で7700kcal消費する必要があるので、

7700kcal ÷ 15日 = 513kcal/日 となります。

要するに、1日当たりの消費カロリーが摂取カロリーを、513kcal上回ること、そして、それを日々の目標にして継続できれば目標を達成となります。

(例)
日々のカロリー収支は下記の内容を目標にしていました。

消費カロリー 合計 2757kcal
(内訳)
 実質基礎代謝の消費カロリー:1657kcal
 減量走の消費カロリー:1100kcal
 ※通勤の行き約40分、帰り約1時間30分程度の減量走を継続しました。

摂取カロリー 合計 2200kcal
(内訳)
 朝ごはん:600kcal
 昼ごはん:800kcal
 夜ごはん:600kcal
 間  食:200kcal
 水分補給は水のみ:0kcal

(消費カロリー、2757kcal) - (摂取カロリー、2200kcal) = 557kcal
⇒ 毎日、557kcal(約0.07kg)づつ減量していく計算です。

日々、消費カロリーと摂取カロリーの差をどれぐらいに設定するかで減量のペースが決まります。差を大きくすれば早く減量できますが、辛い減量になりますし、急激な減量は健康を害すると言われていますので、減量は一カ月 2kgぐらいまでが良いのではないかと思います。

逆に差を小さくすれば減量のペースは遅くなりますが、ストレスが少ない取り組みになります。

それぞれに合った取り組み易いラインを模索して進めることが重要です。

また、カロリー収支については日々ではなく、週ごとでも問題ないようですので、自分の続けることの出来るペースで目標達成に向けて取り組んでみて下さい。

減量を進める中で知っておくべき事など

摂取カロリーについて

食べたり飲んだりする物のカロリーを把握しなければいけないので、これが結構大変だったりします。一般的な食べ物の目安カロリーはネットで検索すればすぐに出てきますが誤差がありますし、物によってはかなり違う場合もありますので留意しておいてください。

飲食物を買う時は栄養成分表示をとにかく見まくって、基本的に栄養成分表示がついているものを選択していました。そんなことをしている内にだんだんと感覚が養われたり、減量中に絶対食べてはいけない物が解るようになっていきました。

私の場合、栄養バランスも考えて、朝はケロッグコーンフロストを計りで測定、それにお気に入りのロイヤルミルクティ風味のプロテインを入れ、豆乳をかけて食べることを定番にしていました。このメニューは減量後も気に入って続けています。(はちみつを入れると更においしくなることに加えて、VAAMと同等の効果で脂肪燃焼効率も上がるそうです。)

昼ご飯は会社の弁当で、献立にカロリー表示があり、基本800kcalぐらいの内容だったので計算し易かったです。ただ、帰宅時間にはお腹が空いてロードバイクで1時間30分減量走することが苦痛になるので、弁当で出たご飯を半分ラップに包んで置いておき、3時の休憩で食べるように工夫してコントロールしました。

間食はお腹が空いたタイミングで、もなか とか どら焼き などの脂質の少ない和菓子、あんパンなどを食べていました。

晩御飯はご飯の場合お茶碗1杯までにするなど、淡水化物をたくさん食べないように意識していたぐらいです。

体重が減らなくなる期間が必ずある

減量を始めてしばらくは順調に減量していくと思いますが、あるところで体重が落ちなくなるタイミングがあります。4ヶ月の減量活動では3回ありました。私の場合は4日~1週間ぐらいでまた減量が進みだしました。逆に増えたりすることもありました。減らない期間、増える期間も同様にペースを崩さずに信じて取り組んだ結果、最終的にはつじつまがあって計算通り減量していきました。

体重管理のよくある思い込みについて

私もそうでしたが減量した後、元の生活に戻すとすぐに体重も元通りになるというイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?

減量するには消費カロリーが摂取カロリーを上回らなければならないので、減らす期間は頑張らないといいけませんが、維持する場合はプラスマイナス0でよいわけですから、食べ過ぎや運動不足にならなければ維持できるということになります。

減量期間に作っていたカロリーの差の分は飲み食いできるわけです。そう考えると維持できそうな気がしてきませんか?

水を飲む

減量期間の飲料は水がおすすめです。カロリー計算がし易いというメリットもありますが、以外と飲料物からカロリーをたくさん摂ってしまっているケースがあります。最初は甘い飲み物を欲っしたり、しんどいと思うかもしれませんが、慣れると苦ではなくなります。私の場合思ったよりすぐに慣れることができましたよ!

食べたカロリーは全て吸収されるのか?

一説によると60~90%の吸収率だとされているようです。冷静に考えてみると100%吸収なんて出来るわけないと思いましたし妥当なところかなと思いました。減量する側からするとちょっと嬉しい情報ですね。

ただ、カロリー収支では100%吸収するものとして計算していました。減量結果としては計算より少し速かった印象でした。

続けることを優先させる

続けていくためには、減量中でもたまには好きなものを食べるとかもアリです。減量走などの運動も苦痛では続かないと思います。

私の場合、ロードバイクで走ることがとても楽しかったので長時間乗っていてもそれほど苦ではありませんでした。どうすればもっと効率よくペダルを回せるかとか、楽に進むことができるかとかいろいろ考えながら乗っているとあっという間に時間が経ちました。

減量活動も楽しくする工夫が大事だと思います。そして、減量のためにはとにかく継続することです。

体重を毎日・決まった時間に測定する

毎日体重を計る事は、モチベーション維持、現状把握の観点から重要です。私の場合は減量活動のモチベーションを上げる目的もあり、アマゾンでいろんなデータが測定できる体組成計を購入しました。

この体重計を購入して一番良かったことは、オン・オフが自動となっていて、乗ったら勝手に電源がオンになって測定してくれるので面倒さが軽減されたこと、あとはスマホのアプリと連動して測定結果をスマホに自動で飛ばしてデータを蓄積してくれるところです。たくさんのデータが蓄積されるとグラフなどで状況分析することもできますし、買って良かったと思っています。

体重の推移について

日々体重を計って確認していると、ずっと右肩下がりということはまったくなくて、上がったり下がったりを繰り返して徐々に下がっていく感じです。私の場合はスマホに自動記録されていましたが、それとは別にカレンダーも日々体重を記入していきました。

1週間前や2週間前と比較してみると1週間のリズムがあって、この曜日にはいつも上がってるとか、逆に週末になると下がってくるとかの傾向が読み取れるようになってきました。

また、減量が停滞する期間は人によって違うようですが、私の場合は、2週間前と比較して体重が上がっていることは一度もありませんでした。(人によっては1ヶ月ぐらい停滞する場合もあるとの情報を見た事もありますが・・)

その場合は運動不足か食べ過ぎのどちらかの可能性が高いので、取り組みを見直してみると良いかもしれません。

まとめ

・最大心拍数の60~70%の運動強度で長時間淡々と脂肪を燃やす
・筋力を維持するために、タンパク質を体重の1.5倍グラムを目標に摂る事
・維持したい筋肉に高強度の負荷を与えることも重要
・摂取カロリーが消費カロリーを超えないようカロリー収支を意識する
・頑張り過ぎずご褒美を設定したり、楽しい活動になるよう工夫する事
・体重が減らなくなる時期が必ずくるが、ペースを崩さず続ける事

細かくは諸説ありますが、この内容は現代スポーツ科学で当たり前とされている常識のようです。ロードバイクで走ることが楽しかったというのが大きいですが、実際に取り組んでみて、こんなに楽に脂肪が減っていくんだという体験に驚きました。私は8kg減量しましたが、もっと続けて更に落とすことも出来たと感じています。ただ、あれ以上やると筋肉が維持できなかったと思うので、ほどほどにしないと、とも思いました。参考にしてもらえればと思います。

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