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クライミング パフォーマンスを上げる為の発声、メリットとデメリット

声を出しながら登ることで、パフォーマンスにプラスに働きます。ここぞというところで声を出して登れた課題はたくさんありますが、その内、半分ぐらいは声を出そうと決めていたわけではなく、ムーブを最後まで繋げられるかギリギリのところで、登り切りたい気持ちが強く出て、気合が声として出たという感覚です。この時は登りに対する集中力は高い状態でした。

残り半分については、迷いを振り切るためや、力を発揮したいところ意識的に発声しました。意識的に発声する場合はタイミングを計って、発声する音を決める必要があります。タイミングは少しずれてしまうと、効果が半減したり、ひどい時には気合いが抜けて、逆に力が出なくなることもあります。

この記事では、登っている時にパフォーマンスを上げるための発声の要点と、そのメリットとデメリットについて書いていきます。

ライター:諦めない男 つるぎ

 

結論

発声には大きく、下記の2種類があると思っています。

  • 無意識に声が出る場合
  • 意識的に声を出す場合

無意識に声が出る場合は、体力も気力も充実していて、登りに集中している時、自分の中の「絶対に登りたい!」という気持ちが声となって出てしまう感覚です。こちらは、勝手に出るためコントロール不可能なので、ここでは意識的に声を出す場合について書いていきます
 

声を出して登る 4つの要点

意識的に声を出してパフォーマンスを上げる為には、押さえるべき要点があります。使いこなせるようになると、力を発揮したい場面で、少し距離を伸ばせたり、保持力を1舜上げる事ができたり、限界だと思っていたところから数手伸ばす事が出来るようになります。要点は次の4つです。

  • 声を出すタイミング
  • 発声する音
  • 発声する長さ
  • 腹の底から強い声を出す

声を出して登る メリットとデメリット

タイミング良く腹から強い声を出す事で大きく次のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
  • 体幹が安定して力を発揮し易い状態になる
  • 呼吸を続けることが出来る
  • 弱気や迷いが消えて、登りに対する集中力が増す

 

デメリット
  • 周りの人を驚かしてしまう
  • 恥ずかしい

それぞれ、詳しく書いていきます。

 

意識的に声を出してパフォーマンスを上げる4つの要点

声を出すタイミング

声を出すタイミングは、強く引き付ける動作の初動に合わせます。ムーブの動き始めや、保持手に力を込める瞬間などです。声を出すことで腹筋や背筋が協調して、力を発揮するための土台(体幹)が出来るイメージです。

 

発声する音

私の場合、一番しっくりくるので「あ゛ー」と言っています。綺麗な「あ」ではなく濁点がついています。無意識に出る時の音も「あ゛」が多いです。また、まわりの人の発声を聞いていると、あ段が多いですが、お段も聞いたことがあります。体幹が締まって、力が込めやすい音であれば良いと思います。

 

発声する長さ

1秒未満が一番多いですが、耐える時間が長い場合などでは3秒ぐらい発声することもあります。自分の持てる最大出力を発揮する間、発声し続けるイメージです。

 

腹の底から強い声を出す

下腹部にある空気が一気に口から飛び出すような、爆発力のあるイメージで発声します。その時の音のボリュームは大きくなり、鋭さや強さを感じる発声になります。 また、音と平行して空気だけを吐き出す感覚もあります。私は学生時代に剣道をしていたので、気合の声を出すことに慣れていたのもあると思います。気合の声を出した事がない場合は練習して感覚を掴むことが先決です。

声を出して登る メリットとデメリット

メリット

声を出して登るメリットは次の3つです。下記の理由からパフォーマンスが上げる事が出来ます。

体幹が安定して力を発揮し易い状態になる

腹の底から強い発声が出来ていれば、呼吸が通りやすく全身の筋肉を連動し易い姿勢で、腹筋・背筋・インナーマッスルなどの体幹を維持・安定させて、力が発揮できる状態が作れているといえます。
 

呼吸を続けることが出来る

厳しい局面になると無呼吸運動になる事があります。マックスパワーを発揮する場合は呼吸が止まるのも仕方ないのですが、リードクライミングのように持久力を発揮しないといけない種目では、呼吸を止めてしまうと、その後、オーバーヒート状態になって登れなくなってしまうリスクがあります。ですので、リードでは出来るだけ呼吸を止めないように登り続けることが重要になります。

腹の底から声を出すということは、息を吐くことになります。吐き切れば自然と酸素は入ってきます。腹の底から声を出すということは、深い複式呼吸が自然と出来ている状態になりますので、正に一石二鳥といえます。

 

弱気や迷いが消えて、登りに対する集中力が増す

腹の底から強い声を出すと、次の動作に対する集中力が最大級に高まります。これは経験した人でないと解らない感覚かもしれません。

オンサイトなどでは特に、「次のホールドは保持できるんだろうか」とか、「思い切って取りに行ってフォールしないだろうか」とか、不安と戦いながら登ると思います。私の経験上、この慎重さは行き過ぎる事が多く、結果、動きが悪くなり、本来発揮できるはずのパフォーマンスが発揮出来ずに終わってしまう経験を何度もしてきました。

しかし、腹の底から強い声を出すことで、不安や迷いはシャットアウトされて、次の1手、次のワンムーブに最大の集中力を発揮することが出来て、全身全霊のトライができるようになります。この効果は絶大です。

 

デメリット

成長するためにはメリットしかないのですが、デメリットもあります。

周りの人を驚かしてしまう

近くに登っているクライマーなどがいると、びっくりさせてしまう事があります。ケースバイケースで状況に合わせた配慮が必要です。

 

恥ずかしい

大きな声を出すのが苦手な方もいると思います。そんな方は音は出さずに息を吐くだけでも効果はあると思います。クライミングの動作に合わせて吐くことを意識してみてください。

 

まとめ

発声する状況として次の2つがあります。

  • 無意識に声が出る場合
  • 意識的に声を出す場合

意識的に声を出すための要点

  • 声を出すタイミング
  • 発声する
  • 発声する長さ
  • 腹の底から強い声を出す

 

タイミング良く、腹の底から強い声をだす メリット

  • 体幹が安定して力を発揮し易い状態になる
  • 呼吸を続けることが出来る
  • 弱気や迷いが消えて、登りに対する集中力が増す

大きな声を出す デメリット

  • 周りの人を驚かしてしまう
  • 恥ずかしい

腹の底から声を出して登ることで、クライミングパフォーマンスを上げる事ができます。私の場合、集中力が極限まで高まっている時は自然と出ますが、そんな状況は1年で数回しかありません。それ以外の場合でも、それなりに気力と体力が充実している時でないと声を出そうという気になれないのが最近の実状です。

しかし、成長するためには、限界を超える刺激を体に経験させる事が重要である以上、この技術も活用して限界を少し超えたパフォーマンスを絞り出す事は必須だと思って取り組んでいます。

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