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ピンチ持ちを克服した方法

ピンチ持ちに苦手意識を持つクライマーは多い印象です。手の大きさ、握力など、簡単にどうこう出来ない事が原因だと決めつけて、飽きらめている方もいるのではないでしょうか。

私も3年前までピンチ持ちには苦手意識がありました。力が込められない感じで、違和感が消えず、すぐに限界が来て耐えられないし、何かがおかしいような気がする・・・とずっと思っていましたが、解決策は見つからず、クライミングを続けてきました。

ある時、格上クライマーの登りを観察していたところ、ピンチ持ちしている時の親指の形が自分のものと明らかに違う事を発見しました。同じ形にして使いこなす事が簡単ではかったのですが、自分なりにトレーニングすることで出来るようになり、その形でピンチ持ちができるようになった頃から苦手意識は無くなりました。

この記事では、苦手だったピンチ持ちを克服した方法について書いていきます。体の使い方によって力が発揮できるようになる、そういった内容です。

ライター:諦めない男 つるぎ

 

結論

ピンチ持ちをする際は、下の写真のように保持することで安定します。

ピンチ持ちする際の要点は次の3つです。

  • 親指の付け根の関節を立てる
  • 親指の第1関節は出来るだけ寝た状態にする
  • 重心を親指側に置いて、外から内へ向かって保持する

親指の付け根の関節を立てる事で、指→腕→肩→肩甲骨→体幹と連動させた動作がしやすくなりますので、大きな筋肉を複数使ったホールド操作が可能になります。また、第1関節が寝た状態で保持することで、連動性が高くなります。また、挟む力のみで真向勝負するよりもサイドに利かせるように持つことで、より大きな保持力と安定感が期待できます。

これらを意識してピンチ持ちすることで、ピンチ持ちは大きく改善すると思います。

下記は、私が過去にしていたピンチ持ちのダメな例の写真です。参考までに載せておきます。

それぞれ、詳しく書いていきます。

 

親指の付け根の関節を立てる

ピンチ持ちで保持力を発揮するために最も重要なポイントになります。親指の付け根の関節(第2関節)を立てる事は全身を連動させた運動する為に重要になります。この関節が寝た状態でホールドを操作してみると、前腕から先、または、肩から先しか連動して動かない事が体感できると思います。

クライミングする際、ピンチ持ち以外の場面でも有効に働きますので、是非マスターしておきたい内容です。自身の持てる最大の力を発揮する為には全身が連動する身体操作をする必要があります。

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親指の付け根の関節(第2関節)を立てれるようになった話

これは人によって個人差があると思いますが、私の場合、すぐこの形を作ることが出来ませんでした。親指の使い方にフォーカスした取り組みはした事がなく、身体能力を発揮できる親指の使い方があるんだと、この時初めて知りました。

クライミングしながら出来るようになったというよりは、レスト時間や普段の生活の中で暇を見つけては第2関節を立てて、第1関節を寝かせた形を作って、机や壁などに押しつけて、その感覚をつかんでいきました。

カチ持ちをするときの他の指の形も同じですし、マッサージ師の方が指圧する時や、ギターのピックを持つ時なども同様の形になっていると思います。とにかく、親指の先で押す動作を何度も繰り返し行って、その指の形が違和感なく出来るようになるまで続けました

意識すれば出来るようになるまで時間はそれほどかからなかったので、実際にクライミングしながら、カバに親指を添える時、その他の持ち方の時などでも、出来るだけ同じ形になるように取り組んだ結果、自然と出来るようになっていきました。

 

親指の第1関節は出来るだけ寝た状態にする

親指の第1関節は状況によってはどうしても寝てしまう事がありますので、寝かせる・立てるどちらでも出来る場合は寝かせると覚えていて下さい。これは寝かせていた方が肩甲骨との連動性が高いという理由からです。ただ、完全に連動が切れてしまう訳ではないので、ケースバイケースで使い分けて貰えればと思います。

 

重心を親指側に置いて、外から内へ向かって保持する

カチ持ちやオープンハンドのサイド持ちをイメージしてもらえれば解り易いと思います。その保持の仕方にプラスして親指がホールドの逆サイドを押さえているだけです。上記で紹介した方法で保持すればピンチ力は格段に向上して安定感も出ますが、挟む力よりもひっかけて利かせる方が更に高い保持力を発揮できます

状況によっては、ピンチ力で耐えないと通過できない場面もあると思いますが、重心を親指側に持っていける場面では、サイド持ちの要素を加えて保持する事で、より楽に、大きな保持力を発揮する事ができます。

まとめ

ピンチ持ちの要点は次の3つです。

  • 親指の付け根の関節を立てる
  • 親指の第1関節は出来るだけ寝た状態にする
  • 重心を親指側に置いて、外から内へ向かって保持する

特に親指の付け根の関節を立てることは最大の要点になります。この持ち方が普段から出来ていない人は、ピンチ持ちのパフォーマンスが大きく向上する可能性がありますので、是非試して頂ければと思います。

また、ピンチ持ち以外の場面でも、親指を使う際は同じように操作する事で、これまで以上のパフォーマンスを発揮する事が出来ると思います。

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