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肩甲骨を連動して使えているかを知る方法

クライミングでは、腕を上げる動作を何度もしますが、その腕の上げ方によって、力が発揮できない状態になっている事があります。力が発揮できない状態で大きな力を出そうとすると、力が出せないだけでなく、怪我のリスクも高くなりますし、持久力も発揮できません。

高難度のルートでは、いろんな体勢からホールドを保持しにいく動作をさせられますが、慣れない動作をするうちに、肩甲骨と腕の連動が切れてしまい、知らず知らずのうちに力を発揮できない体勢になってしまう事があります。この記事では、肩甲骨と腕を連動させて使えているかを知る方法と、連動させた状態からの引き付ける動作の基本について書いていきます。

ライター:諦めない男 つるぎ

 

結論

肩甲骨と腕が連動した状態になっているかどうか、簡単に体感できる方法があります。鉄棒や前傾壁のガバホールドなどで次の事を行ってみてください。

①力を発揮できる状態
上の画像のように姿勢を正して、気をつけの状態から、脇を締めた状態で前方へ向かって両腕を上げていき、鉄棒などを保持してぶら下ります。この時、両腕が目で見える位置にあります。(腕は耳よりも前の位置)この時、背中や胸の筋肉が連動した状態で保持出来ていることに意識を向けて感じます。解りにくければ、少し体を持ち上げる動作をしてみると、より解りやすいと思います。

 

②力を発揮できない状態
次に、気をつけの姿勢に戻って、今度は真横に向かって両腕を上げていきます。脇を開いていくイメージです。そして、同じように鉄棒などを保持してぶら下ります。腕は耳の横に来ていると思います。先ほど①でぶら下った時の感じと比較してみると、肩から先で保持している感覚を感じられると思います。解りにくければ、こちらも少し体を上げる動作をしてみてください。

このように、腕を真上に上げる動作にも、①と②のような違いがあります。クライミングをしている時、特に大きな加重が保持手にかかる時には、①の状態でホールドを保持出来るように動作をコントロールする事が自身の力を発揮する為の要点になります。

 

ここまでは保持の仕方に違いがある事を書いてきました。ここからは、肩甲骨と連動させた保持をした後、どのような体の使い方をするのか、懸垂動作を例に、基本となる動作について書いていきます。

 

上半身で引き上げる動作

①力を発揮できる状態

下の画像は、鉄棒で腕と肩甲骨を連動させながら引き上げる動作をしたときのイメージ画像です。

ぶら下った状態でのポイントは次の3つです。

  • 肩が下がっている事
  • 背筋を伸ばした状態(胸を張っている)で耳が肩の上にある事
  • 肘の内側が自分の方を向いている事

 

次に肩甲骨と連動できている引き上げ動作のポイントは次の4つです。

  • ぶら下った状態の姿勢(上記の3つ)を維持している事
  • 胸やへそが鉄棒の方向を向いている事
  • 腰(へそ)を鉄棒に引き上げていく動作になっている事
  • 上がっていくにつれて上半身が斜めになる事

 

②力を発揮できない状態

下の画像は、腕と肩甲骨の連動が出来ていない引き上げ動作によくあるイメージです。

まず、ぶら下った時の状態では次の4つの状態が見られます。

  • 完全に脱力して肩が上がり切っている
  • 頭は腕の真横か少し前に出ている
  • 胸やへそが正面を向いている
  • 肘の内側は左右の腕を向いているか、少し前方を向いている

この状態から力を入れようとしても、肩甲骨と連動した動作はできません。鉄棒を保持した時点で肩甲骨と連動させた使い方が出来るかどうかはほぼ決まっています。

 

次に肩甲骨との連動が出来ていない引き上げ動作では次のような事が見られます。

  • 腕や肩の筋力を主に使って頭から真上に引き上げる動作になっている
  • 体がほぼまっすぐの状態での引き上げ動作になっている
  • 体が上がっていくにつれてバランスが取りにくくなる

 

まとめ

ホールドを保持する際、どのように利かせるか、どのように指を配置するかなどにばかり意識がいきがちだと思います。私自身つい最近まで気付いていませんでした。

保持した時の体の使い方によって、力が発揮できる場合と出来ない場合があると知った時、これまで解明できなかった、クライミング中に急に力が出なくなる原因はこれだったんだと思いました。

クライミングでは難易度が上がるとこれまで体験したことの無いような体勢やムーブを要求されます。特にそのような慣れていない動作をした時に、知らず知らずのうちに体勢を崩されて、力が入らない保持をしてしまう事が多いです。

ここでは、鉄棒での懸垂を例に書いてきましたが、肩甲骨を連動させた上半身の使い方を感覚で覚えてもらって、その他の動作でも同じように連動させる事を念頭に練習して貰えれば限界突破に役立つ内容だと思います。

基本的な姿勢をとる事の重要性や、体全体を連動させて持てるパフォーマンスを発揮するための動作については、過去に下記の記事を書いていますので、興味のある方はご覧ください。

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