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クライミングで柔軟性を楽しく高める方法

開脚や足上げをなんなくこなして登って行くクライマーをみて、自分もあんな風に登れたらな~と思ったことはありませんか? 私も体の柔らかいクライマーではないので、そんなクライミングを見ている時は常に思ってしまいます。

かといって、柔軟体操やストレッチを継続するのも苦手で、とにかく楽しくないし成果もあまり感じられず、少し柔らかくなったかな?と思っても、数日後にはすぐ元の状態に戻っているので、やってる意味を見いだせない、結果、やらなくなっていく、それがたまにやる気を出してやり始めた時のお決まりのパターンでした。

また、クライミング時も、自分は体が硬いからと、出来るムーブと出来ないムーブにカテゴリー分けしてしまい、出来るムーブばかりを選択して登っていた時期がありましたが、それではムーブの引き出しも偏りますし、今出来る範囲の体の使い方しかしないため、ムーブ力と柔軟性という点においてまったく成長しないという状況でした。

この記事では、私がクライミングをする上で最低限必要な柔軟性を身に付けた方法を書いていきます。柔軟性があればムーブの幅も広がりますし、なにより、省エネ登りには必須のフィジカル要素です。

ライター:諦めない男 つるぎ

楽しく柔軟性を高める

結論から書きます。

柔軟性を高めることで得られる最大のメリットは、以下の4つだと思っています。

  • 可動域が広がって、様々なムーブに対応できる
  • 壁に近いポジションで登れるため省エネ登りや、より楽なレストができる
  • 足が手の代わりになる
  • 推進力を作りやすくなる

これらは、限界グレードを上げていくのに重要な要素になりますが、そんなことは誰もが解っていると思います。問題は、普段の生活では柔らかくなる要素がなく、かといって柔軟体操やストレッチが続かない、結局、柔らかくなれないという事です。

楽しくないと続かない、それなら、クライミングのトライの中で楽しく柔軟性を高めるのが一番合理的な方法だと考えて、登りながら最低限必要な柔軟性を身に付けてきました。

以下、私の取り組みについて解説していきます。

柔軟性を身に付けた方法

私がクライミングに最低限必要な柔軟性を得るために取り組んだ事は、柔軟性不足で、できない設定ムーブから逃げないという事でした。

要求される柔軟性に大きな開きがある場合はパスしても良いが、ある程度回数を重ねて、柔軟性を高めればクリアできそうな課題では、時間が掛かっても、そのムーブにこだわったレッドポイントを目指すというものです。

個人差がある事かもしれませんが、私の場合、ある制限の中で完登を目指すという縛りプレイにすることで、雑念が消えて、これで突破するんだ!という集中力が生まれるので、大きな力とモチベーションを発揮しやすいと感じています。

また、クライミングの実践の中で柔軟性UPを狙うことは、このセクションを突破するために可動域を広げたいという明確な目的意識を伴った運動になるのと、PNFストレッチの効果も期待できるため、実は効率がかなり良い取り組みだと思っています。

私の経験上、最初はぜんぜんだめでも少しづつ柔らかくなりますし、地上にいる時や、日常に戻った時も、どうすれば問題部分の柔軟性が上がるかを考えるようになって、ストレッチなども自ら進んでするようになったりと、登りの中での困った状況を改善しようと、取り組みモードに頭が切り替わる、その効果は絶大です。

あと、私の場合は、サブトレのロードバイクに乘る取り組み効果で、太ももを股関節から曲げて、前方へ引き上げる動作についてはかなり柔軟性が上がりました。その結果、ハイステップなどで足を上げるのに苦労することが無くなりました。

登りの中で柔軟性UPを狙うとPNFストレッチの効果を得られる

PNFストレッチをご存知でしょうか? 一般的なストレッチとは少し違います。

手順としては、

  1. 対象となる筋肉をその時点の限界(無理のない範囲)まで収縮させる
  2. 収縮した筋肉に対して、パートナーや器具を使って抵抗をかける
  3. 抵抗をかけながら筋肉を伸張させる
    ※この時、抵抗力と伸張力は同じにする(動かない状態)

このストレッチを行うと、結果的に可動域が広がります。

文字ではピンとこないと思うので、下記にYouTubeで見つけた動画を貼り付けておきますので、どのようなストレッチをすることで可動域が広がっているのか?この視点で見てもらえればと思います。

PNFストレッチ参考動画

実際の登りがPNFストレッチになる具体例

例えば、両足を最大限開いた状態でそれぞれのスタンスをとらえるために、両足で挟みこむような力も必要になります。この状態はまさしくPNFストレッチの状態だといえると思います。実際に2便目では1便目よりも足が楽に開くようになった経験を何度もしてきました。

そのルートを何度も登って、レッドポイントする頃には、両足を開いて壁に腰を近づける動作が違和感なく出来るようになっています。

楽しめる要素

クライミングにおいて楽しいと感じる瞬間の1つに、できなかった事が出来るようになる、というがあります。保持力が足りない、持久力が足りないなどと同じで、柔軟性が足りないというのもフィジカル要素の1つです。その柔軟性の問題点を解決して、そのルートや課題を突破することの積み重ねが柔軟性を継続して向上させていくことに繋がります。

今の柔軟性では少し厳しい課題にチャレンジしてみる事が大事です。それまで柔軟性に苦手意識があった人でも、少し柔軟性が上がって、出来なかったムーブが出来た!という成功体験をたくさん積むことで、楽しめるようになっていくと思います。

また、何度かトライするうちに体が自然と対応するケースは少なくありません。もし何度やってもまったくできない状況が変わらないのであれば、背伸びし過ぎている可能性が高いです。そんな課題は後回しにして、あと少しでクリア出来そうと思えるぐらいの課題で少しづつ柔軟性UPを積み重ねることをおすすめします。

まとめ

クライミングの実践の中で柔軟性を楽しく高めていくために重要なこと

  • 柔軟性を要求されるムーブから逃げない
  • 柔軟性を活かしたムーブで時間をかけてでも解決する
  • PNFストレッチの概要を理解する
  • ロードバイクのサブトレは股関節からももを上げる柔軟性UPに有効
  • 柔軟性の向上を楽しみながらクライミング活動を行う

柔軟性が上がれば、多彩なムーブに対応できるようになって自ずとムーブの引き出しも増えていきます。また、壁に近いポジションで登れるようになるため、スタンスに体重が乗る割合が増えて、楽な登りやレストが出来るようになります。

その他、足が以前よりも高く上がるようになれば、手の代わりとして足を使うことができるようになったり、可動域が増えることで推進力を作りやすくなり、次に起こすムーブの成功率が高まります。

柔軟性を高めることは、クライマーとして成長するために重要な要素となりますので、諦めずに取り組んでいきましょう!

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