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調子爆上がり! トップロープクライミングで H I I Tを行う方法

HIITとは、High-intensity interval trainingの略で、高強度インターバルトレーニングのことです。

以前、GCN JAPANという自転車系YOUTUBEチャンネルをよく見ていた時に、元プロ ロードレース選手の土井ちゃんが高強度インターバルトレーニングをすると調子が爆上がりすると紹介していたのが頭に残っていました。

ある時、サブトレのロードバイクでトライしてみようと週2回、1ヶ月取り組んだところ、高い強度で以前よりも長い時間走れるようになりました。更にクライミングにもその効果が表れ、持久力・回復力が明らかに向上して、調子が上がる感覚がありました。

このトレーニングをクライミングでやってみようとメニューを考えて実践したところ、こちらでも同様に効果が感じられました。

この記事では、私が取り組んで実際に効果を実感したクライミングでのHIITについて紹介します。HIITの要点を押さえれば環境に合わせてメニューを作って取り組むことができると思います。私が実際にトップロープで行ったHIITの動画も貼り付けてありますので、参考にしてもらえればと思います。

ライター:諦めない男 つるぎ

クライミングHIITの要点とその実施例

HIITを行う目的
  • 心肺機能を向上させて、高強度でも通用する持久力・回復力を向上させる
  • 筋肉の瞬発力やパワーを向上させる
  • ストレスや疲労に対する耐性を向上させる

HIITの押さえるべきポイント
  • 1分 登る・30秒レスト ×5セット以上行います。
  • リード壁の場合はトップロープで行ってください。(リードスタイルは不可)
  • 登る際は、1分間全速力の90%ぐらいの感覚で登ります。
  • 決めたセット数(5セット以上)をギリギリ登り切れないぐらいの強度で行います。
  • 強度はルートの難度と登る速度で調整します。
  • 登ってる最中は止まらないようにして下さい。(動き続ける)
  • 1分間登り続けられるルートで行います。(極端に悪いホールドのあるルートはNG)
  • レストは原則禁止です。(シェイクも禁止)
  • 登り方がわかっているルートを繰り返し登ります。
  • フォールする可能性のあるルートは使わないようにします。
  • 登り1分経ったら、すぐ壁から離れてレストに入ります。
  • レスト時間は、30秒~1分の範囲で決めてしっかり休んでください。
  • レストの際、前腕のパンプの疲労感が集中して一気に襲ってくるようであれば、十分追い込めていると判断できます。
  • 週2回以上、1~2ヶ月を目標に取り組んでください。

留意事項
  • HIITを行う場合、施設のスタッフに事前にトレーニング内容を説明して、確認してから行うようにして下さい。(施設やその時の状況によっては、認めてもらえない事があると思います)
  • リード壁の場合、トップロープで行うのは、クリップをするなどして動きが止まることで心拍数が回復してHIITの効果が薄くなることが理由です。
  • 登り方がわかっているルートを使うのは、迷っている間に心拍数が回復してしまうことと、ギリギリの状態に追い込まれた時にムーブのイメージがあることで、その動作に集中して全力が出し切れるのが理由です。
  • このままでは確実に落ちるという状況になった場合は、最低限のシェイクのみ行い、落ちない事を優先させます。
  • セット数は最初は3回など少な目に初めて少しづつ増やしていくことをお勧めします。
  • レスト時間は、最初の内は1分とし、回復力が早くなってきたら30秒にするなど調整してください。
  • レストの際、前腕のパンプの疲労感が集中して一気に襲ってきます。その腕の痛みは、これまで感じた事がないレベルの張りと痛みかもしれませんが、しばらくすると収まります。

HIITの効果

私が実際に感じた効果としては、高強度でも通用する持久力の向上と、レストでの回復力の向上です。明らかに上がる感覚があり、体もよく動くので調子もかなり良くなったと感じることができました。

下記は一般的にHIITに取り組んだ場合の効果として上げられる内容です。

  • Vo2MAX(最大酸素摂取量)の向上
  • ミトコンドリアの増加

Vo2MAX(最大酸素摂取量)とは、

1分間に体内に取り込むことのできる酸素の最大量のことです。この値が向上すれば、持久力・回復力・パワー・集中力などが上がり、クライミングのパフォーマンスが向上すると言われています。

ミトコンドリアとは、

細胞内に存在する細胞小器官の一つで、細胞のエネルギー工場と呼ばれています。食べ物から取り込んだ栄養を使って、エネルギーを作り出します。

ミトコンドリアがたくさんあれば、細胞が活発に働き、持久力・回復力・パワー・集中力などが上がり、クライミングのパフォーマンスも上がるとされています。ミトコンドリアを増やすには、運動すること、栄養バランスの良い食事を摂ること、睡眠を十分にとることが重要になります。

クライミングHIITの実施例イメージ
前提条件
  • スマホのインターバルタイマー等のフリーソフトで、インターバル時間を設定して、設定した時間が経過したら音が鳴るように設定する(誰かに計ってもらうのでもOK)
  • リード壁でトップロープのセッティングをする
  • 高強度のトレーニングになるため、ウォーミングアップは十分に行う
  • ビレイヤーに段取りを説明しておく
    ※登る速度が速く、ロープの胥吏が追い付かなくなる可能性があるため、ビレイヤーの選任も重要
トレーニングの流れ
  1. 出来るだけ早い速度で登り、1分経ったら登るのを止めてフォールする
  2. ロワーダウンする時間も含めて1分レストする
  3. レスト時間が終わったらすぐに2回目登り始める
  4. 1~3を繰り返して5セット行う
  5. 5セットを1日2~3回行う

トレーニングのイメージ動画

私が実際にトップロープでHIITをしている動画を大師匠が撮ってくれていたので、参考にご覧ください。

※関係のない音がかなり入っていますが、トレーニングの感じを伝えるためにあえて音声も残した動画にしています。

この時は左足の膝を痛めていたので、左足には加重せずバランス取りのみに使い、右足メインの登りになっています。(最後の方は動けなくなって左足にも加重してるシーンがありますが・・・) HIITの慣らしの時期だったので、この日は4セットを3回/日行っていました。いきなり5セット行うのはかなり厳しいと思うので、少しづつ慣らしながら回数を上げていくことをおすすめします。

乳酸が溜まると動けなくなってきますが、そんな時は、近くのカバホールドを使ってもよいので、出来るだけ動き続ける意識で登っています。この動画では、4セット最後までこなせていませんが、続けることで少しづつ伸びていって、最終的にはやり切れるようになっていきます。

さいごに

このトレーニングは正直かなり苦しいです。1分のレスト時にこれまで感じたことのない急激な疲労感に襲われたり、精神的ストレスもかなりかかりますので、トレーニングをやり切るにはそういった慣れも必要になってきます。

ただ、しっかりとやり切る事ができれば、高強度でも通用する持久力が身につきますし、調子も明らかに上がると実感しています。

また、トップロープでできない環境であれば、ボルダリングのような低い壁でも、登り降りやトラバースのコースを設定すれば対応できると思います。自身の環境に合わせた方法を考えてもらえればと思います。

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