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【まとめ記事】もっと登れるクライマーを目指すための成長戦略

クライミングを始めて13年目になりました。クライミング活動に求めることは始めた頃から変っていません。それは、出来ない事へ全力で挑戦して成長する事です。登れなかったルートの高度が少しづつ上がっていく過程、完登できた時の達成感、成長を確信できる瞬間が最高に楽しくて、他では類をみない充実感を与えてくれます。

クライマーとして日進月歩で進化し続けたいとの思いで、クライミング活動に取り組んできましたが、もっと登れるクライマーになるためには戦略的に練習メニューを組んで活動する必要が出てきました。

この記事では、私がクライマーとして成長するために重要だと考えて取り組んでいる内容を整理して体系的に書き出していきます。継続して進化し続けるために、能力向上が必須となる内容を把握して、目的を持った活動をすることが重要です。そのひとつの例として参考にしてもらえればと思います。

ライター:諦めない男 つるぎ

結論

クライマーとして成長し続けるために、次のテーマの維持・向上を目標にした取り組みを行っています。

  • 身体能力を発揮するベースとなる要素
  • 柔軟性
  • 持久力
  • 心肺機能
  • クライミング技術
  • ムーブの引き出しを増やす
  • 体重管理
  • 保持力

これらはどれか一つでも出来ていないと登りに大きく影響の出る内容ですので、週末の活動だけでなく日常生活も含めた取り組みが必須だと考えています。

身体能力を発揮するベースとなる要素

身体能力が活かせる姿勢、全身を連動させた力強い登り方、これらが自然と出来るようになれば想像を超えたクライミングパフォーマンスに繋がります。体全体の力を使うことが出来るようになるので、結果として保持力・持久力が向上します。また、複数の筋肉で負荷が分散できるようになるため、局所的な疲労の蓄積が減り、怪我をしにくくなり回復力も高まります。怪我のリスクが減り、回復力も早まるため、たくさん登れるようになるため、成長速度の向上にも期待ができます。

また、正しい姿勢や体の使い方を覚えることで、現代の生活習慣病となっている頭痛、首痛、肩こり、腰痛などの改善も期待できます。

長年かけて身に付けてしまった、力の発揮し辛い姿勢や体の使い方を修正することはかなり大変な取り組みになりますが、効果は非常に大きいものになりますので、是非取り組んでもらいたい内容です。

下記の記事は、どんなスポーツをするにしても、身体能力を発揮するための大前提となる姿勢についての記事です。正しい姿勢をとっているつもりでも実はその感覚が間違っているケースがほとんどです。状態が酷い方は整体などで矯正してもらう必要があるかもしれません。

 

次の記事は、実際に登る際に全身を連動させて、身体能力を発揮しながら登るための要点をまとめた記事になります。参考にして登ってもらうことで、体幹を中心に全身の力を連動させながら登る感覚を感じてもらえると思います。

 

柔軟性

柔軟性が特に必要なのは肩甲骨周りと股関節の2つだと思っています。これらの柔軟性が高いとクライミング中の様々な場面で体幹の力を全身を連動させた力強い動作ができたり、体重をスタンスにしっかり乗せて手の負担を軽減できたり、壁に近づけることで悪いホールドも利かせることができたり、3次元的なムーブにも対応しやすいなどのアドバンテージに繋がります。

次の記事では、肩甲骨周りの柔軟性を出すための立甲(肩甲骨を立てる)の取り組み方や、肩甲骨を連動させた体の使い方などについて書いています。

 

次の記事では、クライミングに必要な柔軟性をどのように維持・向上させるかについて、私なりに意識して取り組んでいる内容を書いてみました。私の場合、柔軟性を出すためのストレッチは続かなかったので、クライミングに必要なものはクライミングしながら身に付けようという発想で実践している内容になります。

 

持久力

フィジカル的な持久力を上げるためには、筋持久力と心肺機能を上げる必要があります。その内、筋持久力を上げるためには、大きく次の2つの観点から練習する必要があると思っています。

  • 量をたくさん登り込むトレーニング
  • 筋肉の持久的な限界を押し上げるトレーニング

量をたくさん登り込むトレーニングは制限等はなく、とにかくたくさん登り込んでトレーニングに耐えうるベースを作るイメージです。

登りに使う筋肉の持久的な限界を押し上げるトレーニングでは、基本的に次のようなルールで登っています。(リード壁での例)

  • レストはしない
  • 出来るだけ早く登る
  • ムーブが分っているルートで行う
  • 設定したトレーニング内容(本数や時間)の7~9割ぐらいがギリギリ登れる強度のルートで行う
  • 設定したトレーニング内容が出来るようになれば、同じぐらいか少し上の強度の次の課題内容に変えていく

下記の記事では私が実際に行っているトレーニングメニューの1つを紹介したものになります。この他に、「1本登る→ロワーダウンする→すぐにもう1本登る」なども良く行っています。参考にしてもらえればと思います。

 

心肺機能

フィジカル的な持久力を上げるためには、筋持久力と心肺機能を上げる必要があります。その内、心肺機能を上げるトレーニングは、クライミングよりもロードバイクやRUNなどの有酸素運動が最適だと分かりました。

ハードな登り込みを続ければ、高強度でも通用する持久力がつくと思って長年活動していましたが、それだけではすぐに限界が来てしまうことを体感しました。次の記事では、私が実際にロードバイクで心肺機能を高めた内容をまとめたものになっています。ロードバイクに乘らない方でも、どんなトレーニングをすることで心肺機能を向上させる事が出来るのか、参考になる部分は多いと思います。

 

次の記事では、クライミングで心肺機能の向上も狙ったトレーニングメニューを紹介しています。ビレイヤーや場所など選ぶ内容になると思いますが、参考にしてもらえればと思います。

 

クライミング技術

クライミングのテクニックは細かいことを書き出すと切りがありませんので、ここでは、最近私が登りの中で最も重要視している推進力についてまとめた記事を3つ紹介させてもらいます。厳しい局面になればなるほど、少しの推進力の有無が成功と失敗を分けます。また、長いルートを楽に登り切るためにも重要な内容となります。

 

次の記事は、親指を有効に使うためのテクニックについて書いています。親指は1本でもムーブが起こせる太くて強い指です。私自身、カチ持ちやピンチ以外では使えている感覚はありませんでしたが、ホールドの横に添えてムーブを起こすことで、途中からガストン方向へ利かせて使う選択支を持つことが出来ると気付きました。それについての内容になっています。

 
その他のテクニックについては、当ブログ内でカテゴリーを設けていますので、そちらの記事もご覧ください。

 

ムーブの引き出しを増やす

他のクライマーの登りをみていると、自分と違うムーブを使って登っているのを目にすることがあると思います。そのムーブが、自分の選択肢に出てこなかったり、出来ないと思って選択しなかったムーブだったりした場合は、すでに完登して終わったルートでも、リピートで必ずそのムーブを試しにいくようにしています。

見るだけではなくて、実際にやってみることの積み重ねはとても大事だと感じています。何より、「やってみたい!」となるので、実際に登って、そのムーブを起こして、その感覚を体験することはとても楽しいです。その上、ムーブの引き出しも増えていくので一石二鳥の感覚です。

それから、完登できた場合でも、解決の方法が解らず力で抑え込んで突破したセクションや、苦手意識が残るルートや課題は、何度も何度も登り倒すようにしています。しっくりこない感覚や苦手意識がああるということは、そのセクションを上手に登るための体の使い方や、ムーブの理解が不足しているということに他なりません。

持久力のトレーニングルートに設定して、違和感や苦手意識がなくなるまで徹底的に登り倒すようにしています。これも苦手克服に一番良い方法だと感じています。

 

体重管理

重力に大きく影響を受ける運動でパフォーマンスを発揮しようと思った時、重要な要素の1つにパワーウェイトレシオがあります。計算式はパワー ÷ 体重 となり、簡単に言うと、パワーが大きくても体重が重すぎると登れないし、パワーがなくても体重が極端に軽いとけっこう登れるという話です。

ロードバイクでもヒルクライムをする選手はレース前に想像以上に体重を落としています。自転車の重量と自分の体重を軽くすることでタイムが劇的に変わるからです。クライミングでも体重が軽ければ登ってる時の感覚は相当な変化あります。

とはいえ、体重が少なくなればそれだけで良いという訳でもありません。過去に食事制限のみで減量を何度かしたことがありましたが、明らかに登れると感じたのは体重が落ちてすぐの時だけで、だんだんとパワーが落ちていって、どんどん調子が悪くなってしまいました。

ロードバイクでのサブトレーニングを始めて、自転車でのトレーニングに取り組んだ事で、パワーを出来るだけ落とさない、体調を維持したアスリートが実践している減量方法についても学ぶことができました。

下記の記事では私が人生で初めてパワーを極端に落とさないで、8kgの減量に成功した方法について書いています。自身の体重を上手にコントロールするために必須の知識だと思いますので、参考にしてもらえればと思います。

 

保持力

私の活動している施設はリード壁しかないため、ある程度登れるようになってくると最大筋力を上げるメニューが組みにくい環境だと感じていますが、工夫して取り組むことで今のところ保持力を上げることが出来ています。

保持力を上げるためにこれまで意識してきたことは、週に1度は必ずその時の自分にとって出来ない強度の課題に挑戦してフルパワーの刺激を体に与えることでした。ただ、まったく頑張れないほど難しい課題では効果はないと感じていて、あと少し及ばないという距離感の強度の課題にトライし続けると少しづつ伸びていくイメージを持っています。

本当のフルパワーは長くても10秒前後しか発揮できません。効率よく最大筋力を鍛えるためには、その刺激をインターバルを挟んで何度か入れることが要点だと思っています。短い時間ですが、火事場の馬鹿力レベルの出力をして、その刺激を筋肉に入れることを目的に取り組みます。休む時間も少しづつ短くしていきます。

その他にも、強度は速度でも調整できると考えています。心肺機能のところでも紹介した、下記の記事のようなスピードクライミング的な内容で刺激を入れることも最大筋力を上げるのに有効だと感じています。

 

まとめ

私がクライマーとして成長し続けるために、維持・向上を目標にした取り組みを行っているテーマは次の通りです。

  • 身体能力を発揮するベースとなる要素
  • 柔軟性
  • 持久力
  • 心肺機能
  • クライミング技術
  • ムーブの引き出しを増やす
  • 体重管理
  • 保持力

この中でも、姿勢や体の使い方は油断しているといつの間にか元に戻っていってしまっていたり、出来ていないこともよくあります。全てのベースとなる内容になりますので、良い状態を維持し続ける意識を持って、意識しなくても出来る状態に近づけていくことが重要だと思っています。

時間は掛かると思いますが、このベースとなる内容をブラッシュアップし続ければ、驚きの成果を感じる事が出来ると思います。

自分という選手をコーチの目線を持って育てていく感覚で成長戦略を考えることは、クライミング活動を更に楽しくやりがいのあるものにしてくれますので、是非取り組んみて下さい。


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