どうすれば持久力があがるのか?その理論がわかってくると、練習メニューを考えるのも楽しくなってきます。私の場合は、クライミングのサブトレーニングとして始めたロードバイクでのトレーニングに本気で取り組むことで、フィジカルを効率よく成長させる方法を知ることが出来ました。そして、それを実践してその効果を体感しました。
トレーニングメニューを考える時には、自分が熱中できる事・楽しめる内容である事が、成長に繋げる上でとても大事だと思っています。そして、同じメニューを繰り返すだけではなく、強度や時間や距離、多種多用な運動(ムーブ)など、変化をつけていろいろな刺激を体に入れる事も重要です。
この記事では、私が定番の1つとしている、レストなしで2本登る、リードクライミングの持久力トレーニングについて書いていきます。
ライター:諦めない男 つるぎ
レストなしで2本登る、持久力トレーニング
概要
トレーニングの目的 | 高強度で通用する持久力と回復力の向上 |
登る本数 | 2本 |
ルール | ・レストなしで登り続けること ・リードスタイルで登ること ・ゆっくり登るのはNG ・1本目を完登又はフォールした後、ロワーダウンしてもらい、 ロープを外し、ロープダウンして結び直し、すぐ2本目を登る ・この時のレスト時間の目安は1~2分程度 ・上記のルールで2本のルートの完登を目標にトライする ・レストなしで2本完登の最高RPグレードを追求する |
使用するルート | ・1本目と2本目は別のルートを登る ・2本のグレードは同じぐらいのものを選ぶ ・最低でも1本目は7~8割は登りきれるルートを選択する ・すでに完登出来たルートで行う |
ルートの強度設定 | ・最高レッドポイントグレードの1桁下ぐらいからが目安 ※ 各自の感覚で調整して下さい。 |
補足事項
- 選んだルートの強度が高すぎると、頑張ることができずトレーニングになりませんので、最低でも7割以上はレストなしで登り続けられるリードのルートで行います。
- 慣れが必要ですので、ある程度この登り方に対する持久力がついてくるまでは、2本を1つの課題と見立てて、通常のトライのように、フォールしたらテンションを挟んだ後続きを登ってもかまいません。ただし、インターバルは必要最小限にしないとトレーニングになりませんので、留意が必要です。(マイルールではその時の疲れ具合をみて30秒~1分のレスト、テンションは2回までと決めています)
- この取り組みでの最高RPグレードを追求することで、熱中出来る要素が生まれます。普段のクライミングのように、ムーブを研究したり、グレードの目標をもった取り組みにすれば良いのです。
- すでに完登したルートで行うのは、迷いながら登っているとレストになってしまうというのが理由です。また、登り方が解っている状態で登ることで、集中力が生まれ、1つ1つのムーブで全力が発揮しやすくなります。
- 同じルートにばかり取り組んでいると成長に偏りが出来ますので、出来るだけいろんなルート課題に取り組むことが大切です。
まとめ
細かなことも書いてきましたが、このトレーニングはシンプルです。 リードクライミングで、2本の課題に連続でトライし、登ってる最中はレストをせず登り続けて完登を目指す、それだけです。
この取り組みをするにあたって、理解しておきたいトレーニングの狙いは次の通りです。
- ある程度強度の高いムーブを、レストなしで続けることで持久力を向上させられます。
- インターバル(レスト)1~2分が自然と取れることで心肺機能が鍛えられ、持久力や回復力を向上させられます。
- このトレーニングは、肉体的にも精神的にも、かなりキツイですが、その限界に近い状態をどれだけ我慢して続けられるようになるかが、高強度で通用する持久力に繋がります。
フィジカルの限界を押し上げるためには、キツイ運動に耐える事からは逃げられません。ただ、現代スポーツ科学では、どのような運動をすれば効率良く狙った機能を向上させられるかが解明されています。大変な時間を出来るだけ短くして、フィジカルを向上させることが出来るのです。(とは言っても、結構大変なのですが・・・)
フィジカルを向上させる理論を元に、自分が楽しめる要素や熱中できる工夫を取り入れたトレーニングメニューを組むことが出来れば、辛いけど楽しいトレーニングメニューも作れると思います。押さえるべきポイントを押さえた上で、是非、自分のテンションが上がるルールを設定して取り組んでみて下さい。
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