クライミングを続けていると、怪我や故障をすることもあると思いますが、私の場合、一度痛めてしまった肩・手首・膝などがウィークポイントになっていて、定期的に痛みが出ていました。
休むとすぐに弱くなるし、なんとか登りながら治す方法を考えた結果、片足クライミング・片手クライミングに行き着きました。普段登る時と同じように、ルートの完登を目指してオンサイトやレッドポイントを目標に登ります。その他、テーピングやサポーターを利用して通常通り登るのも有効でした。
この記事では、腕や足などを痛めてしまったけども、クライミング活動を休みたくない、治しながら登りたいという状況で、私がどのようにクライミングを続けながら治してきたかについて書いていきたいと思います。
ライター:諦めない男 つるぎ
結論
怪我や故障の箇所によっては、登りながら治すことは可能です。たとえば、指、手首、肘、肩、膝、足首などを痛めた場合は以下のようなメニューで、普段はまず選択しない登り方で、楽しく登りながら治すことが出来ます。
- 片足クライミング(痛めた足に加重しない登り方)
- 片手クライミング(痛めた腕は使わない登り方)
- テーピングやサポーターを利用したクライミング(テーピングやサポーターを着用して登る)
簡単なグレードから始めて、痛めた部位は基本使わない、又はサポートされた状態で痛みがでないことを大前提に登りますので、かばいながら通常通り登り続けるのと比較すると、格段に早く治ります。
それぞれ書いていきます。
片足クライミング
片足クライミングでは、痛めた足は、バランスを取ったり、壁に当てて振られ止めに使うのはOKで、重心を乗せたり、体重をかけたりしはないというルールで登ります。オンサイトを狙うもよし、レッドポイントを狙ってムーブを試行錯誤するもよし、普段のトライと同じように取り組みます。
子供の頃、けんけん(片足跳び)をして遊んだことがあると思いますが、動きとしてはそんな感じになります。スタンスからスタンスへけんけんの要領で足を跳ばしていく様子から、けんけんクライミングと言われたこともありました。
ダイナミックな足運びをするムーブが増えてかなり楽しい登りになります。足を一気に上げてスタンス位置をピンポイントで捉えたり、フラッギングでバランスを取る場面が増えるので、それらの練習にもなります。普段のクライミングではまず選択しないようなムーブを実行しないと登れないので、ムーブの引き出しも増えます。
片手クライミング
片手クライミングでは、痛めた手は一切使わないルールで、片手両足で登ります。
基本的にデッドの連続になりますので、一手一手の緊張感があってとてもスリリングなクライミングになります。
片手だけでは十分な引きつけが難しい場面も増えてくるので、それを補う技術を模索したり、重心移動で推進力を作る良い練習になります。
また、次のホールドを取るためには必ず手を離す必要があるので、タイミング良く次のホールドに手を出すダイナミックムーブや、スタンスを高く上げたヒールフック・キョンなどの足技の練習にもなります。
腕への負担が増えるオーバーハングでは、そうとうきつい筋トレになると思います。
テーピングやサポータを利用したクライミング
出来ればテーピングを故障の症状に合わせた形で巻くのがおすすめですが、市販のサポーターでも症状に合えば十分効果を発揮します。とにかく、登っている時に痛みがでないというのが登りながら治す上での大前提になります。痛みがでる登りを続けていると、なかなか治らずに長引いたり、癖になってしまったりと良いことはありません。
また、適切にテーピングやサポーターを着けた状態でも、痛みのでる動作はあると思いますので、その動作を認識して、痛みの出る体の使い方をしないように登ることが大事です。
これらを守った上で、通常通り登ります。
症状に合わせたテーピングの巻き方を知る
痛めた箇所を的確にテーピングでサポートできれば、驚く程の効果があります。テーピングの巻き方については、痛めた箇所によって違ってきますので、通院して専門医に教えてもらい、その後は自分で対応するのがおすすめです。
私の場合、深いキョンをした際に、膝に力を入れるという間違えた体の使い方をしてしまい、膝を痛めました。休むことはせず登りながら治したかったので、整形外科でその旨を伝えた上で、症状を見てもらい、テーピングの巻き方を教えてもらいました。
注意すべきポイントを教えてもらったり、実際に先生がテーピングを張り付けていくところをステップごとにスマホで撮影して、自分1人でも同様に出来るようにしました。
まとめ
怪我や故障はしないに越したことはないですが、痛みが体の使い方を教えてくれるものだとも思っています。痛みが出始めているのに、そのまま同じ動作を繰り返してしまうと、深刻な事態になりかねませんので、痛みが出るということは、間違った体の使い方をしているのだとの認識を持って、その動作をすぐに見直すことが大事だと思います。深刻な故障をして、その後のウィークポイントになってしまうのは絶対に避けたい事態です。
それから、腰など体の中心に近い箇所については、登る際、どうしてもメインで使うことになるので、諦めて休むようにしています。体の要を故障してしまうと、クライミングも継続的な成長に大きなマイナスになりますし、日常生活においてもかなり不自由な状況になってしまいます。
これまで、故障の失敗は何度もしてきました。痛みが出たり、違和感を感じた時は、すぐにその課題を止めるか、ムーブを考え直すようにしています。せっかく積み上げて成長してきたものが台無しになったり、クライマーの成長を阻害する事なので、十分注意して、時にはすぐ止めて切り上げる英断をすることが重要だと思っています。
また、怪我をした場合も、何故怪我に繋がったのか、その直前の動作を分析して、今後同じようなことが起こらないように改善することも重要です。
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