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いつもより前腕がパンプする理由と、それの意味するところ

クライミング活動を続けていると、前腕がいつもにも増して張りやすいと感じる事があると思います。いつもと同じように登ってるのに、なぜかすぐパンプしてしまう。その理由は大きく3つあると思っています。パンプの原因は無意識の掴み過ぎ、握り過ぎがほとんどです。

この記事では、クライミングをしている時にいつもよりも前腕がパンプする原因と、そんな時に意識するべきことについて書いていきます。前腕がパンプしやすい状況が何を意味するのか理解して取り組むことで、軌道修正が早く出来ると思います。

ライター:諦めない男 つるぎ

結論

いつもよりも前腕がパンプしやすいのは、次のような状況で起こります。

  • パワーが上がったと思っている時(パワーに魅了されている時)
  • しっかり保持することに強い意識が向いている時
  • 体の柔軟性がない時(失われている時)

これらの状況では、無意識のうちに必要以上の力でホールドを掴んだり、握り込んでしまいます。結果、前腕の筋力を普段以上に使ってしまいパンプアップが早く起こります。

これはホールドを握り潰そうとしているのに等しく、登ることに過剰な力を出してしまっていると言えます。ホールドは人間の力では握りつぶせないので、パワーのあるなしに関係なくパンプします。そして、やっかいなのはクライマー本人が自覚しにくいという点です。

手や腕で登る意識が強くなっているので悪い傾向が出ている状況とも言えます。ここから不調が続く事も多いです。

その他、体の柔軟性が低い状態でクライミングすると、前腕がパンプしやすいです。全身を連動させた動作が出来ないために本来の保持力が発揮できず、それを補うために強く握ったり掴んだりしてしまい、前腕がパンプしやすくなります。この場合は、動的ストレッチなど、準備運動をもっとしっかり行うことで改善しますが、疲労の蓄積によって体が硬くなっている場合は、そもそも登るのを止めて体を休めた方が良いです。

いつもよりも前腕がパンプしやすい状況について、それぞれ詳しく書いていきます。

パワーが上がったと思っている時(パワーに魅了されている時)

クライミングをしていると、圧倒的なパワーで登って行くクライマーを見て、クライミングはパワーだー!となって、とにかく力を追い求めたくなる時期もあると思います。パワーがあるに越したことはありませんが、パワーだけでは登れるようにならないのも事実です。

筋トレや強度の高い課題の取り組みで成果が出た後、保持力が上がったと思っている時や、もっとしっかり保持しなければ・・と強く意識している時は、掴んだり・握ったりする力が無意識に大きくなってしまい、前腕がパンプしやすくなります。

この思考でクライミング活動を続けると、思うように登れない状況が続き、間違えた軌道修正をしてしまい、スランプに陥ってしまうことにもなりかねません。いつもよりもパンプする場合は、パワーに取り憑かれていないかを疑って、持つのではなく重心位置で利かせる保持の基本に立ち返ることが大事です。

しっかり保持することに強く意識が向いている時

しっかりと保持する意識は大切です。しかし、その保持の理解が曖昧な場合、強く掴んだり、握ったりする手の力を強めてしまうケースが多々あり、前腕が早くパンプする原因に繋がります。クライミングの保持はほとんどの場合、掴んだり握ったりせず、ホールドの引っ掛かる箇所に手の関節や指先を引っ掛けたり、手のフリクションを活かしやすいようにホールディングし、その保持が安定して利かせやすい位置へ重心を移動させる動作になります。

手や腕だけで保持しながら登っていると、高い持久力や保持力は発揮できません。目指すべきは、肩甲骨を連動する形で、腕や手を操作して、体幹の力を利用する保持です。このイメージを持って取り組むことが大事です。

体の柔軟性が失われた状態の時

準備運動やアップが不十分な場合

デスクワークが多いなどの理由で、普段あまり体を動かさないクライマーの方は特にですが、準備運動やアップを十分行わず、柔軟性を欠いた状態でクライミングをすると、身体能力を発揮できない上に前腕がパンプしやすくなります。

クライミングにおける保持力は、手や腕の力で発揮する印象を持ってる方は多いと思いますが、実際は体幹を要にして体全体の力で保持しています。柔軟性がなく、筋肉の伸縮力が制限されている状態では体全体で保持力を発揮することが難しくなります

体全体が連動して動かないことで、普段は発揮できている保持力や持久力が発揮できません。しかし、本人は気付いていないので、普段と同じように登り続けた結果、手や腕だけで頑張らないといけない状況になり、知らず知らずのうちに手に力が入って、前腕のパンプが早まります。

最大のパフォーマンスを発揮しないと登れない限界グレード以上の課題に挑む時、準備運動(動的ストレッチ)やウォーミングアップをしっかり行った時と行わなかった時で、明らかな違いを体験することができると思います。また、クライミングをしない日の柔軟性を維持・向上させる取り組みも重要です。

疲労が溜まって体が硬くなっている場合

体の柔軟性が失われている場合は、上記で書いたようにパフォーマンスを発揮できません。特に疲労で筋肉が固まろうとしている時は準備運動(動的ストレッチ)やウォーグアップをしたところで、またすぐに硬くなってしまいます

そんな時は、休むのが一番です。無理をして登ることは、継続して成長していくために、マイナスでしかありません。体と対話して、休む時はしっかりと休むことは本当に重要です。(私はやり過ぎてしまう方なので、いつも自分に言い聞かせています。)

まとめ

私自身、前腕がパンプしやすい日は、調子が悪いのかな?とか適当な理由をつけて深く考えずに終わらせてきましたが、その時の自分をよく思い出したり、観察してみると、上記のようなことが起こっていると気付きました。普段と違うことが起こるということは、何か原因があるはずだと考えて、追及する姿勢が大事だと思えるようになってきました。

上記で書いたように前腕がパンプしやすい状況は、改善すべき状況であると認識することで、よくわからない不調の期間を縮めることにも繋がります。継続して成長していくために押さえるべきポイントだと思いますので、参考にしいて頂ければと思います。

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